推古天皇36年の皆既日食記事の信憑性
天文月報 95巻, 27 - 37, 2002 (谷川清隆, 相馬 充)


日本書紀に記された推古天皇36年(西暦628年)の皆既日食記事は誇張表現である という解釈が通説となっている. 同時代の中国史書の天文記事を援用しつつ, この日食記事が必ずしも誇張でない可能性のあることを論じる. 月の黄経の潮汐項(T^2の係数)が過去には現在の値から 外れていたとすれば,日食と月食から得られた ΔT の値の矛盾が なくなり,この皆既日食も記録どおり,日本で実際に見られたものになる. 結果を出すにあたり, 接食タイプの星食データも使用した.

  • pdf ファイル

    谷川のホームページに戻る

    国立天文台のホームページに戻る