西暦247年日食について
国立天文台報, 14巻, 2011 (相馬 充, 上田暁俊, 谷川清隆, 安本美典)
西暦247年前後のΔTの値を探る. 三國志および晋書にユリウス暦247年3月24日の
日食に関する言及のあることを見つけた. それによると, 日食は皆既ではなく
深い部分食のようだ. この条件より, ΔT > 7750秒が得られた.
この値は前論文・谷川&相馬(2010)の値とはかなり違う. 前論文では
ΔT =8000秒は大きすぎると述べた. 今回のΔTの結果からすると,
247年3月24日の日食は, 北九州で皆既でないにしても深い日食であった.
とくに, 北九州の島および北九州市は皆既食を経験したと思われる.
結果の意味について若干議論する.
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