ポアンカレの幾何学定理の拡張
An extension of Poincare's last geometric theorem
George D. Birkhoff, Acta Mathematica 47(1925), 297-311
Acta Mathematicaの13巻に掲載されたポアンカレの受賞論文
「三体問題と力学の方程式」(Le probleme de trois corps et les equations de la
dynamique)は力学の非可積分問題への最初の偉大な挑戦であった.Mittag-Leffler
教授の指導の下に、Acta Mathematica誌は多くのすぐれた論文を掲載した。しかし、
ポアンカレのこの論文ほど科学的に重要な論文はないだろう.その多くの発想、
なかんずくその中心部分をなす周期運動に関する発想はその後彼を重要な
力学的研究へと自然に導いた.
Rendiconti del Circolo Matematico di Palermo誌の33巻に死の直前に発表した、
非常に面白い論文「幾何学のある定理について」(Sur un theoreme de geometrie)に
おいて、ポアンカレは、ある種の幾何学定理(特別な場合に彼が証明している)が
周期軌道に関するいくつかの重要な問題の答えを導き得ることを示した.その直後に
わたしがその定理の正しさを証明した方法の特殊性また定理自身の力学的素性から、
定理の一般化が示唆されたが、それをここで示す.
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