カイパーベルトの2/3共鳴からのカオス的拡散と彗星の起源
Chaotic diffusion and the origin of comets from the 2/3 resonance in the Kuiper belt
Alessandro Morbidelli, Icarus 127(1997), 1-12



軌道傾斜角が小さい場合の2/3共鳴の力学構造を, テスト粒子を数値 積分し, 固有要素の時間進化を計算することによって調べた. 構造の基本的な様相は 永年共鳴を解析的に計算して得た「地理」に関係している. この論文では ゆっくり拡散するカオス軌道の存在に焦点を当てる. この軌道は数十億年かけて2/3共鳴から逃げていく. 短周期彗星の起源はこのような軌道の存在と関係し得る. 2/3共鳴にある天体が海王星との近接衝突に運ばれる速度を 数値的に計算した. この結果から, 観測される短周期彗星の流量を説明するのに 必要な2/3共鳴の現在の彗星サイズの天体の数量を見積もった. 10^8ないし10^9個という結果が得られた. これからすると2/3共鳴天体は 衝突進化しているはずである.


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