惑星の居住可能性と生命の起源
Planetary habitability and the origin of life
C. F. Chyba and D.P. Whitmire and R. Reynolds,
Protostars and Planets IV, University of Arizona, 2000.
遠隔探査に有用な生命の一般的定義は捕らえどころがないことがわかった.
現実問題として, 生命の探索は, われわれの知っている生命の探索になる.
それは液体水中の有機分子に基づく. 太陽系では有機体はありふれているから,
液体水は系外生命探索の焦点になる. 近年, 地表下深くの生命圏が発見された.
ここでは地表とまったく条件が異なる. 生命が地下条件で誕生したかどうかは
未解決問題である. けれども, それが可能であるとすると, 火星やオイロパに
あるのではないかと思われている深地底の液体水環境が地球外生命にとって
もっともらしい場所である.
地球外の居住可能性環境として挙げられるもっとも保守的な要請は,
地下ではなく, 地表に液体水が存在することである.
「星周居住可能ゾーン」とは, 星または星系のまわりの空間体積であって,
そこでは地球型の惑星が地表に液体水を維持できるところである.
このようなゾーンは星の光度の変化に連れて変わるけれども, 太陽質量の
0.1から1.5倍の星の場合には, 何十億年も続く居住可能ゾーンがある.
したがって, 居住可能性についての保守的な定義からしても, 他の星の
まわりに生命のための場所がたくさんあり得る. 地下の生命環境は生物学の
可能性をさらに広げる.
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