彗星上の生命
Life in comets
C. P. McKay,
Comets and the Origin and Evolution of life(eds. P.J. Thomas,
C.F. Chyba, C.P. McKay), Springer, Berlin, 1996.
初期の地球の地質学記録の中に生命の証拠がある. これは生命の進化が速かったか,
生命が外部からもたらされたか, を意味する. 外から来たとすれば, 彗星が生命の
運搬役として考えられる.
放射性元素による熱によって液体の水が中心核にたまれば, 彗星で生命が誕生し得る.
生命が太陽系外の星間有機分子から生じ, 未知の機構で太陽系に運ばれたなら, 彗星
は運び屋としても貯蔵庫としても理想的である.
そこで, 彗星がこの役割を果たしたとすれば, 彗星には地球上の生命と同じ生命が
あるはずであるし, 彗星から生じた惑星間空間の塵にもあるはずである.
ハレー彗星探査機で彗星物質の有機分析がすこし行なわれたが, アミノ酸は検出され
なかった. 遠くからのスペクトル解析では, このような目的にはまったく不十分で
ある.
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