1.5 ヘルツシュプルング・ラッセル図

 

データデータ

恒星は、赤い色や青白い色など様々な色を持っている。また、明るさも千差万別である。明るさと色はその星の物理量、たとえば半径や、質量、温度などとどのように関係しているのだろうか。

19世紀中頃になって視差による星の距離の測定が行われるようになって、星の光度あるいは絶対等級を知ることができるようになった。1905年、ヘルツシュプルングは、観測された星の色と絶対等級をプロットし、これらの間に関係のあることを見いだした。左の図の太陽から近距離の星についてこれを示したものであり、横軸のB−Vは色指数と呼ばれ、星のでの等級からでのそれを引いたもので、波長の長い光が強い赤い星では+へ、それと反対に波長の短い光が強い青い星では−の値をとる。独立にラッセルは、星のスペクトル型と絶対等級の間に関係のあることを見いだした。星のスペクトル型は色指数と対応しているので、横軸に色指数もしくはスペクトル型をとり縦軸に絶対等級をとったプロットのことをヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)と呼ぶ。これは後に、星の内部構造やその進化を知る上で重要な情報をもたらした発見であった。右の図はみかけの明るい恒星を(左図の近距離にある恒星とともに)プロットしたものである。

近距離にある星のほとんどは、HR図上で左上(明るくて青い)から右下(赤くて暗い)に連なる主系列と呼ばれる領域に分布する。近距離星のなかには、HR図で左下の領域にいくつかの白色わい星含んでいるが、われわれの太陽の周りではほとんどの星が主系列星である。右図では、非常に明るい遠距離の星を選択的に含んでいるために左の図の分布とは異なったものになっているが、主系列がさらにHR図で左上方向にのびていることが分かる。その右上方に巨星、超巨星と呼ばれる非常に光度の大きい星が分布する。

 

課題:プログラムを書いて散布図の書ける人は上の図に対応するデータ(第1項がB-Vの値、第2項がMVの値)を用いて自分で書いてみよ。