複数地点の日食観測から求めた ΔT および月運動 の潮汐項

    谷川清隆、相馬 充著; 谷川清隆訳
Delta T and the Tidal Acceleration of the Lunar Motion from Eclipses Observed at Plural Sites
K. Tanikawa and M. Soma
Publ. Astron. Soc. Japan Vol.56, 879 - 885, 2004.

紀元前188年7月17日の日食は長安 (中国)とローマ (イタリア)で 観測され記録された. 紀元873年7月28日の日食は ニシャプール (イラン) と 京都 (日本)で観測され記録された. この日食はニシャプールでは金環であった。 このような深い日食の複数記録は歴史上まれであり, また時計補正 ΔTや 月潮汐加速 dn/dt を決めるのに有用である. ここでは, できる限り精密にこの 2つのパラメータの範囲を決めるつもりである. 潮汐加速を-25''.83/世紀^2と決めると, 最良の見積もりとして, 紀元前188年の日食およびそれと同時代の日食から 12581 秒 < ΔT < 12741 秒が得られ, 紀元873年の日食および同時代の日食から 3327 秒 < ΔT < 3498 秒が得られた.

  • pdf ファイル 0.9MB
    全体 ファイル
  • ps ファイル 1.1MB
    全体 ファイル

    谷川のホームページに戻る

    国立天文台のホームページに戻る