16 Cygni Bを回る惑星軌道の離心率のカオス的変動
Chaotic variations in the eccentricity of the planet orbiting 16 Cygni B
Matthew Holman, Jihad Touma, and Scott Tremaine, Nature 386(1997), 254-256



最近16 Cyg Bのまわりを回っている惑星が発見されたが[1]、 これは知られて いる惑星のうち最大の離心率(e=0.67)を持つ. 2個以上の惑星がある場合には, 重力相互作用によって軌道が大きな離心率を獲得する可能性がないではないが[2,3], 星を取り巻く円盤からできる惑星はほぼ円軌道を持つと期待される. この論文では16 Cyg Bbの離心率の大きな軌道が遠い 伴星16 Cyg Aとの重力相互作用から生じることを示唆する. 16 Cyg Bbが16 Cyg Aの 軌道面から45度ないし135度傾いた軌道面でほぼ円軌道上に形成 したと仮定し, また30天文単位以内に木星程度の質量の惑星がないとすると, 16 Cyg Bbは小離心率と大離心率の間を振動する. これらの軌道間の移行は 10^7 - 10^9年ごとに起こり, 惑星は生涯の35 %をe > 0.6で過ごす. これらの結果からすると, 連星系にいる惑星の場合, たいてい離心率の大きな期間やカオスの期間を持ち, また主星と衝突することもある.

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