運動量流束テンソル

運動量保存式は

$\displaystyle \frac{\partial \rho\bm{v}}{\partial t}
+\nabla\cdot\left[\rho\bm{v}\otimes\bm{v}+p\mathtt{I}\right]=\rho \bm{g}$ (1)

重力は、重力ポテンシャル$\phi$を使って

$\displaystyle \bm{g}=-\nabla{\phi}$ (2)

と書ける。 ここで、Iは、3次元の単位行列で

$\displaystyle \mathtt{I}=\begin{pmatrix}
1&0&0\\ 0&1&0\\ 0&0&1\end{pmatrix}$ (3)

をあらわす。 ここで現れる

$\displaystyle \mathtt{T}=\rho\bm{v}\otimes\bm{v}+p\mathtt{I}$ (4)

を、運動量流束テンソルと呼ぶ。

重力加速度$\bm{g}$は以下を要求する。

\begin{displaymath}\left\{
\begin{array}{l}
\nabla\times\bm{g}=0\\
\nabla\cdot\bm{g}=-4\pi G (\rho-\bar{\rho})
\end{array}\right.\end{displaymath} (5)

これが、磁束密度$\bm{B}$に関する束縛条件

\begin{displaymath}\left\{
\begin{array}{l}
\nabla\times\bm{B}=\frac{4\pi}{c}\bm{j}\\
\nabla\cdot\bm{B}=0
\end{array}\right.\end{displaymath} (6)

と対をなしていることに注意する。 MHDで $\nabla\cdot\bm{B}=0$が保証されないと、 しばしば、致命的な結果に陥るが、自己重力場で、 $\nabla \times \bm {g}=0$を破ると重大な結果に陥る場合があることが予想される。