平行移動弧に関するブラウワーの補題の新たな証明
A new proof of Brouwer's lemma on translation arcs
Morton Brown, Houston Journal of Mathmatics 10(1984), 35-41



平面の不動点を持たない方向保存同相写像の研究はBrouwerの論文[3]から始まった. かれはその論文で「平面平行移動定理」を証明した.何人かの著者[1]、[4]、[6]、 [7]、[8]がBrouwerの論文にある曖昧さやギャップについてコメントしたり、 簡単化を示唆した.このうち何人かは同様の批判を免れない([1,p.335]、[5,p.226] 参照).しかしながら、衆目の一致するところ、Brouwerの理論の基本的出発点は 平行移動孤に関するBrouwerの補題にある([3]のSatz 1).ただし[7]の著者は Brouwerの証明は間違っていると述べている.[1]、[4]、[7]の著者はBrouwerの補題の 別証明を与えている.今回の論文の目的は、Brouwerの補題のさらに別の証明を与える ことにある.その証明はindexの概念および自由同値性(free equivalence)の概念に 依る.後者はこの論文で導入する.証明の新しさはAlexanderイソトピーを使う ところにある.別の論文で、平面の同相写像の力学をもっと深く調べるために 自由同値性を利用する.

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