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近傍星形成領域の観測的研究
 現在、野辺山45m鏡星形成レガシープロジェクトの代表者として、近傍星形成領域の観測を推進しています。レガシープロジェクトでは、100GHz帯新受信機FORESTを用いて年間300時間以上の観測時間を投入し、近傍星形成領域の分子雲の詳細観測を行います。星は、星間分子雲の特に密度の高い部分(分子雲コアと呼ばれる)から誕生します。つまり、分子雲コアは星の卵です。星の誕生過程を解明するためには、星形成の母胎となる分子雲、分子雲コアの構造や物理的性質を徹底的に解明する必要があります。星形成レガシープロジェクトでは、ミリ波帯では世界最大の単一望遠鏡である野辺山45m鏡を用いて、上記の研究を推進します。野辺山45mやその他の望遠鏡で取得したデータをもとに、最近稼働が始まった世界最大の電波望遠鏡ALMAでの観測を目指しています。
(国際共同研究)

専門は星形成研究。電波天文学と理論天文学。ミリ波では世界最大口径を誇る野辺山45m電波望遠鏡やASTE望遠鏡などの観測データを駆使し、近傍星形成領域のガスの物理状態を調べ、ALMA望遠鏡を使った観測提案を目指しています。また、観測だけでなくコンピュータシミュレーションを用いて星の誕生過程を研究しています。観測と理論シミュレーションの両面から、星の誕生過程の解明を目指しています。

研究成果
形成途中の星団
(コンピュータシミュレーションによる) 色は
分子ガスの分布、赤い点は生まれたばかりの星

星団形成過程の研究
 宇宙の中で、星はもっとも基本的な天体の一つです。太陽のような星は宇宙に無数にあり、宇宙のどこかで今でも誕生しています。星は星間分子雲と呼ばれる宇宙空間を漂う密度の高い雲から誕生しますが、我々の銀河系内の星の大半は、単独で生まれるのではなく、集団(つまり星団)で生まれます。星団が誕生する領域では、複数の星がほぼ同時期に生まれるため、星団内での星形成は非常に複雑でまだよくわかっていません。本研究では、星団が誕生する過程をコンピュータシミュレーションを用いてその謎に迫ります。(University of VirginiaのZhi-Yun Li博士との共同研究)