磁気恒星風 --- Weber-Davisモデルの2次元への拡張

    桜井 隆著; 桜井 隆訳
Magnetic stellar winds - A 2-D generalization of the Weber-Davis model
Astron. Astrophys. Vol.152, 121-129, 1985.

完全導体に凍結した磁場を持つ、軸対称、定常の恒星風モデルを 計算する方法を提案する. Weber and Davis (1967)のモデルを拡張して、各磁力線に沿っての解は代数方程式 であるベルヌーイの式から求めることができる.この段階で2つの臨界点 (critical point)が現れる.磁気流体力学における遅い波(slow mode) と速い波(fast mode)の臨界点である. ポロイダル磁場の形は、磁力線を横切る方向の力の釣り合いを満たすように 決めなければならない.この結果、磁気ポテンシャルに関する2階の偏微分方程式 が得られる.この偏微分方程式はAlfven面が特異点になっており、そこでの 正則条件と、内側境界での条件から解は一意に決まる. 単極子的な磁場配位を仮定して例を計算してみた.その結果見られた重要な性質は、 らせん状の磁場による、極方向への流れの偏向である.解の遠方での漸近的振る舞いを 見ると、流れは放射状にはならず回転軸方向に収束(コリメート)される. 自転軸のごく近傍では、磁気ピンチの力がガスを閉じこめた、密度の高い柱状の 構造ができる.

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