有限時間に非有界になる直線4体問題の解
Solutions of the collinear four body problem which become unbounded in finite time
J.N. Mather and R. Mcgehee, Lecture Notes in Physics 38(1975), 573-597



この論文では(ニュートン)直線4体問題の解で有限時間に非有界になるものの存在を 証明する.4質点m_1,m_2,m_3,m_4が直線上を逆自乗法則
\ddot{q}_i = Σ_{j ≠ i} m_j (q_j - q_i) /(|q_j - q_i|^3) ,
にしたがって動いていると考える.ここでq_iはi番目の粒子の位置を表わす. 二体衝突は正則化されているとするので、系は二体衝突を越えて定義されかつ連続で ある.しかし三体衝突は特異点とみなす.つまりt_0に三体衝突が起これば、 q_i(t)はt < t_0でのみ定義される.詳しい問題設定は[1]に記述されている. すべての時間にわたってq_1 ≦ q_2 ≦ q_3 ≦ q_4であることに注意する.
正則化系の時間パラメータは元の系の時間パラメータと異なる.この論文ではtは いつも元の系の時間パラメータのことである.
有限時間に非有界な解の存在を特殊な質量の値に対して示す.これらの解は 次のようなタイプである.二体衝突を起こす増大する有界時間列t_1, t_2, t_3, ...が存在する.t --> t_{∞} = lim t_iにおいてq_1 --> -∞, q_3, q_4 --> +∞であって、q_2はq_1とq_3の間を無限回行ったり来たりする. またq_4 - q_3 --> 0である.q_4 - q_3 --> 0に起因するポテンシャルエネルギーの 損失により、有界時間に非有界になる解の原因となる運動エネルギーが得られる.

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