平面二等辺三体問題における秩序とカオス
Order and chaos in the planar isosceles three-body problem
K. Zare and S. Chesley,
Chaos 8(1998), 475-494
平面二等辺三体問題を2次元面積保存ポアンカレ写像$f$に帰着させた.
もとの微分方程式の対称性を使い, また数値計算を行なって, 質量が等しい
場合のfの大域的な様子を記述する. この記述は面の写像に基づいており,
ただちに捕獲-エスケープ, 永続的捕獲, 放出-衝突, その他の軌道を含む
さまざまなタイプの運動の存在, およびそれらの測度を導く.
その上, この技術により, 「早い」散乱と「カオス的な」散乱の間の違いを
区別することができる. 捕獲-エスケープは最大測度の集合であるが, fの
もとで捕獲されたのでもなくエスケープもしない2つの異なる集合が
存在する. 最初の集合はカントール集合であり, 測度ゼロであり, これは
fが領域の一部でスメール馬蹄写像に似ていることからの帰結である.
第二の集合は楕円不動点を囲む正測度の不変領域である. この領域で,
fは本質的に摂動ねじれ写像としてふるまう. すなわち, fの繰り返しの
もとで, 多くの点は規則正しく不変曲線上を動く. 補遺では, よく調べ
られている二等辺三体衝突多様体の枠組に今回の結果を投げ込んだ.
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