next up previous
Next: Lax-Wendroffスキーム Up: Lax-Wendroffスキーム 第2版 Previous: 数値流束

精度

 

で、v=c=constを考える。

FTCS(Forward in Time and Central Difference in Space)スキームはこれを

 

のように差分化して

として解く方法である。

この差分化にどれくらいの誤差が混入しているかを考える。 時間方向にテイラー展開して、

また空間方向にテイラー展開して、

となる。 これを(6)に代入すると、(5)と完全に同じになるわけではなく、

となる。 このように、空間方向に、 時間方向にの誤差を含むスキームを、 空間2次精度、時間1次精度のスキームと呼ぶ。 実際にこのスキームを用いて計算することは、 不安定(振動が発生しその振幅が増大する)のために不可能である。

時間2次精度のスキームとするためには、

で、

であることに注すると、

となる。この式を差分化すると オリジナルのLax-Wendroffスキームが得られる。

これはFTCSスキームに第3項の拡散項を加えたものとなっている。 拡散項は、FTCSスキームで生じる振動を拡散によって鎮める効果を持つので このスキームはより安定化されることになる。

2段階のLax-Wendroffスキームは基本的にこれと同じ計算を2段階に分けて 行なうものである。



Kohji Tomisaka
1998年07月07日 13時56分39秒