next up previous
Next: pj+1/2 Up: AUSM法 Previous:

Mj+1/2

中間値を左側の値で決まる ${\cal M}^+_j$と右側の値で決まる ${\cal M}^-_{j+1}$の和として

 
Mj+1/2(Mj, Mj+1) $\textstyle \equiv$ $\displaystyle {\cal M}^+_j + {\cal M}^-_{j+1}$  
  $\textstyle \equiv$ $\displaystyle {\cal M}^+(M_j)+{\cal M}^-(M_{j+1})$ (7)

を考える。 これは、右向きに進む波の成分 ${\cal M}^+$と左向きに進む波の成分 ${\cal M}^-$に 分解することに対応している。 マッハ数が1を越える場合は、M>0の時は ${\cal M}^+=M$ ${\cal M}^-=0$、 またM<0の時は ${\cal M}^+=0$ ${\cal M}^-=M$となるように、

\begin{displaymath}{\cal M}^\pm\equiv\left\{ \begin{array}{l} {1 \over 2}(M\pm \...
...
{\cal M}^\pm_\beta(M) \ \ {\rm otherwise,}\end{array}\right.
\end{displaymath} (8)

のようにする。ここで、マッハ数が1以下の場合の関数 ${\cal M}^\pm_\beta$については

 \begin{displaymath}{\cal M}^\pm_\beta=\pm{1 \over 4}(M\pm 1)^2\pm \beta (M^2-1)^2, {\rm for}\,
-{1 \over 16}\le \beta \le{1 \over 2}
\end{displaymath} (9)

のようにとるが、これは次のような性質をもっていればよい。それは
1.
${\cal M}^+(M)+{\cal M}^-(M)=M$,
2.
${\cal M}^+(M)\ge 0$ ${\cal M}^-(M)\le 0$,
3.
${\cal M}^\pm (M)$Mに対して単調増加関数であること、
4.
対称性から ${\cal M}^+(M)=-{\cal M}^-(-M)$であること、
5.
${\cal M}^\pm (M)$は連続で微分可能であること。

式(9)の関数をいくつかの$\beta$の 値についてプロットすると、図1のようになる。

  
図: ${\cal M}^\pm (M)$のマッハ数(-1<M<1)による変化。 実線は$\beta =0$、点線は$\beta =1/8$の場合。

このようにして決まる ${\cal M^\pm}$から得られるMj+1/2を用いて、 流束E(c)を定めれば良い。

 \begin{displaymath}E^{(c)}=\left\{\begin{array}{l} M_{j+1/2} \Phi_j a_j, \ \
({...
... \Phi_{j+1} a_{j+1}, \ \ ({\rm otherwise})
\end{array}\right.
\end{displaymath} (10)

cj+1/2についてはLiou (1995 AIAA-95-1701-CP)では、 別のとり方を推奨しているが、 以下の計算例ではcj+1/2についても風上の値をとったものを示した。


  
図: ${\cal P}^\pm (M)$のマッハ数(-1<M<1)による変化。 実線は$\alpha =0$、点線は $\alpha =3/16$の場合。



Kohji Tomisaka 平成12年2月21日