理論研究部の片岡章雅氏が日本惑星科学会2013年度最優秀発表賞を受賞しました。 日本惑星科学会最優秀発表賞は、博士号を持たない学生会員の秋季講演会での優秀な発表に対して授与されます。 石垣市民会館で開催された日本惑星科学会秋季講演会において、11月20日、2013年度最優秀発表賞の選考セッションが行われ、5名の候補者が口頭発表とポスター発表で競い合いました。 選考委員会による審査の結果、「高空隙ダストの静的圧縮を考慮した微惑星形成」を発表した片岡章雅氏(共著者は田中秀和さん, 奥住聡さん,和田浩二さん)が最優秀発表賞に選ばれました。 翌11月21日の日本惑星科学会第40回総会において授賞式が行われ、片岡氏には、田近日本惑星科学会会長から、賞状と副賞が贈られました。
片岡氏は現在総合研究大学院大学博士後期課程に在学し、惑星形成の理論的研究に取り組んでいます。 惑星は、ダストと呼ばれるミクロンサイズ以下の固体微粒子が互いに衝突・付着し大きくなることで形成されると考えられています。しかし、どのようにして惑星サイズまで成長するのかは謎に包まれていました。片岡氏らは、惑星形成の標準理論では考慮されていないダストの内部構造進化を理論的に正確に追うことで、この「ダストから微惑星への成長の謎」を解明することに挑みました。 その結果、「惑星の種」は一旦すき間だらけになった後、ガスの向かい風や自身の重力によって圧縮され、惑星の元となる微惑星を形成することがわかりました。更に、このような「惑星の種」の進化過程は、従来の惑星形成理論における問題を解決することがわかりました。 片岡氏の研究成果は、ヨーロッパの学術誌Astronomy and Astrophysics誌の注目論文に選出されるなど、世界的な注目を浴びています。
今回の受賞について片岡氏は次のように話しています。
「今回の研究は指導教員の富阪幸治教授や多くの研究者の支えがなければ実現できませんでした。
今回の共同研究をしてくださった北海道大学の田中秀和准教授、東京工業大学の奥住聡助教、千葉工科大学の和田浩二上席研究員を初め一緒に研究してくださったすべての方に感謝します。
今後も、理論研究部の皆さんと協力した理論的研究だけでなく、観測や実験の研究者の皆さんとも一緒に研究していきたいと思っています。
」
日本惑星科学会最優秀発表賞の概要と、片岡氏の研究については、以下のリンクをご覧下さい。