三鷹地区特別公開 | 国立天文台 理論研究部

三鷹・星と宇宙の日 2014 理論研究部・4D2U合同企画「理論天文学最前線」

開催概要

*開催日時*
2014年10月25日(土) ※「三鷹・星と宇宙の日 2014」は24,25日の2日間の開催です

*場所*
国立天文台三鷹 4D2Uドームシアター(S4)
アクセス三鷹キャンパス構内地図

企画内容

■ミニ講演会&4D2U上映 (対象:小学生以上)
最新のシミュレーションから作られた立体映像をつかって,理論天文学の最先端を研究者自らがお話いたします.整理券を配布いたします(整理券の詳細についてはこちら).定員は各回40名です.入場者には理論研究部特製オリジナル小冊子「理論研究最前線」をプレゼント!
※小学生未満のお子様につきましては,立体視の目への負担が大きいため,入場をお断りしております.

■研究紹介ポスター展示
最新の研究成果をポスターを使ってわかりやすく解説します.腕章をつけた研究者に気軽にご質問下さい.

■理論天文学クイズ
6問の問題が出題されます.ヒントはポスターのなかに?6問中4問以上正解で,理論研究部・4D2U特製クリアファイルをプレゼント!

■Cafe Riron
ちょっとひと休み.天文学者とお話しながらお茶やコーヒーを楽しんでみてはいかが?

■『宇宙,作ってます』〜スーパーコンピュータ見学〜
理論の望遠鏡とも呼ばれるスーパーコンピュータ.今では理論天文学研究には欠かすことができないものです.国立天文台でスーパーコンピュータを運用している「天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)」では,最新の研究で利用されているコンピュータ群を解説付きでご紹介いたします.スーパーコンピュータ室(南棟S2,1階)へ是非いらして下さい.

ミニ講演会タイムスケジュール

整理券配布時間 集合時刻 講演者 タイトル
10:00 10:20 小久保英一郎 太陽系紀行
11:05 古澤峻 スパコンで解き明かす超新星爆発
11:50 田中雅臣 金はどこから来たのか?
13:20 浜名崇 宇宙の加速膨張と暗黒エネルギー
13:00 14:05 富阪幸治 太陽を計算機の中に作る
14:50 工藤哲洋 太陽を活動させる磁場
15:35 浜名崇 宇宙の加速膨張と暗黒エネルギー
16:20 小久保英一郎 宇宙の渦巻

整理券について

・ミニ講演会をご覧いただくには整理券が必要です.整理券配布は10:00-と13:00-,4D2Uドームシアター(S4)東側受付にて行います.定員は各40名です.
・整理券はお一人様1枚となっております.同行者の方々,皆様お揃いになってから受付へお越しください.

講演概要

小久保英一郎 「太陽系紀行」
調和のとれた美しい世界、太陽系。太陽系とはどのような天体なのでしょうか。太陽系には惑星、衛星、環、小惑星、太陽系外縁天体、彗星など、質量、組成、軌道の異なる多様な天体が存在しています。これらの天体はどのような特徴をもち、どのような運動をしているのでしょうか。また、どのようにして生まれたのでしょうか。最新の天文学の成果をもとに太陽系の姿と誕生をやさしく解説します。

古澤峻 「スパコンで解き明かす超新星爆発」
超新星爆発は星が死ぬときに起こす爆発現象です。最も明るいときには太陽の一億倍以上の明るさで輝きます。またニュートリノや重力波などの最新の天文学とも関連した魅力的な天体現象です。この超新星爆発はどうやって起こるのでしょうか。その謎は、近年のスーパーコンピュータによるシミュレーションでようやく解明されつつあります。最新の成果をもとに、超新星爆発の仕組みについて解説します。

田中雅臣 「金はどこから来たのか?」
私たちの身の回りには様々な種類の元素が存在しています。多くの元素は、宇宙がビッグバンで始まったときには存在せず、その後、星の中などで作られたと考えられています。しかし、人々の興味を引いてやまない「金」、「銀」、「プラチナ」などの貴金属の起源は長く論争が続いており、今も分かっていません。最新の研究成果と映像を交えて、宇宙の元素の起源についてお話します。

浜名崇 「宇宙の加速膨張と暗黒エネルギー」
今から100年ほど前に、宇宙が膨張していることが天文観測により発見され、さらに15年ほど前には、その膨張速度が加速していることが発見されました。宇宙を加速膨張させるためには、何らかのエネルギーが必要ですが、その正体はまだ不明で、仮に「暗黒エネルギー」と呼ばれています。宇宙の加速膨張をどうやって発見したのか、宇宙の加速膨張の意味すること、そして国立天文台の研究者による宇宙の加速膨張研究の取り組みについてお話しします。

富阪幸治 「太陽を計算機の中に作る」
20世紀の天文学は、星には寿命があり年老いる存在であることやその道筋を明らかにしました。しかし、その誕生のプロセスは未だに謎にあふれています。星は、高密度の分子雲コアと呼ばれるガスの塊が,自らの重力で収縮して形成されます。どのような重さの星がどれくらいできるのかは,何によって決まっているのでしょうか。分子雲コアは回転しているのに,遠心力で収縮が止まることなく進むのはなぜでしょうか。宇宙の星の多くが連星や多重星であるなかで,太陽が単独の星になったのはどうしてなのでしょうか。 これらの問題に答えられるのか、計算機シミュレーションで星の形成過程を追跡する研究の最前線を紹介します。

工藤哲洋 「太陽を活動させる磁場」
太陽は活発に活動している時と静かに落ち着いている時とを周期的に繰り返しています。その周期は約11年です。活発に活動している時には太陽で何が起こっているのでしょうか?実は、太陽の示す活動的な現象には太陽が持つ「磁場」が関係しています。太陽観測衛星「ようこう」は、太陽の表面から現れる磁力線の様子をとらえる事に成功しました。ぜひ、それを三次元映像でご覧ください。講演では、太陽活動と磁場との関係を説明します。(なお、講演は小学校5年生以上 の方を対象にしています。)

小久保英一郎 「宇宙の渦巻」
宇宙には様々な渦巻模様があります。数千億個の恒星の集まりである銀河には渦巻模様のものがあり、渦巻銀河とよばれています。私たちのいる銀河、天の川銀河も渦巻銀河です。さらに身近な(?)ところでは土星の環にも渦巻模様があります。これらの渦巻模様は基本的に同じ仕組みでできていると考えられます。最新の天文学の成果をもとに、宇宙の渦巻とその成り立ちについてやさしく解説します。

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