国立天文台 理論研究部

Research Highlights

標準理論をくつがえす新種の超新星を発見


クイーンズ大学ベルファスト校及びパドバ天文台に所属するジャッコモ=テレラン博士と国立天文台理論研究部の守屋尭特任助教らの研究チームは、現在の超新星爆発の標準理論では説明不可能な超新星を発見しました。 OGLE-2014-SN-073 と命名されたこの超新星は、類似したタイプの超新星爆発の 10 倍以上のエネルギーで爆発していたのです。この超新星は、これまで理論的には予言されていたものの、実際には観測されていなかった新種の超新星である可能性があります。今回の発見で、超新星爆発のメカニズムがこれまで考えられてきたよりも多様であることが明らかになりました。この研究成果は、2017年 9月 18日に Nature Astronomy オンライン版に掲載されました。
詳細はこちらをご覧ください:「標準理論をくつがえす新種の超新星を発見」
(2017/09/22)

図: 2014年 9月 24日に観測された超新星 OGLE14-073.
Credit: Terreran et al. (2017) Nature Astronomy より改変

"Hydrogen-rich supernovae beyond the neutrino-driven core-collapse paradigm"
G. Terreran et al.
Nature Astronomy (2017) doi:10.1038/s41550-017-0228-8

守屋尭 [personal webpage]



矮小銀河における元素の混合効率


矮小銀河は天の川銀河と比較すると、高いrプロセス元素組成を持つ星が少ないことが知られています。こうした元素組成の違いには、銀河形成初期における元素の混合過程が深く関連しています。しかし、銀河での元素の混合効率は明らかになっていませんでした。そこで、本研究では、星間乱流モデルによる元素の混合過程を導入した矮小銀河の化学力学進化シミュレーションを行いました。その結果、矮小銀河における低いrプロセス元素組成を再現するためには、乱流理論から予測される値の1/10以上である必要があることがわかりました。この場合の元素の混合時間を計算すると、400万年以下となり、銀河の力学時間(1億年程度)より十分に短い時間スケールで元素が混ざっている必要があることが明らかになりました。
(2017/09/01)

図: [Ba/Fe]と[Fe/H]の関係の計算値(グラデーション)と矮小銀河の観測値(点)。灰色の部分は観測値が存在しない領域。左図、右図はそれぞれ混合時間400万年の場合、16億年の場合。

“Efficiency of Metal Mixing in Dwarf Galaxies”
Yutaka Hirai, Takayuki R. Saitoh
2017, The Astrophysical Journal Letters, 838, L23 [ADS] [arXiv]
平居悠 [personal webpage]



原始惑星系円盤HL TauのALMA偏光観測


惑星は、原始惑星系円盤と呼ばれるガス円盤の中でダストが合体成長することで形成されます。そのため、成長中のダストがどのくらいの大きさを持つのかを原始惑星系円盤の観測から制限することができれば惑星形成理論を発展させることができます。我々は、2015年に原始惑星系円盤のミリ波偏光観測を用いると散乱起因の偏光を受けることができ、そこからダストのサイズを測れるという理論を提唱していました。今回我々は、HL Tauという惑星が作ったと見られるリング状の放射が確認されている原始惑星系円盤のALMA偏光観測を行いました。その結果、ミリ波の偏光は従来思われていたような磁場によるダスト整列ではなく、輻射場によるダスト整列と、我々の提唱していた散乱起因の2つが組み合わさって起こっていることがわかりました。また、散乱由来の偏光成分の解析から、成長中のダストサイズは100ミクロン程度であることがわかりました。
(2017/07/27)

"The evidence of radio polarization induced by the radiative grain alignment and self-scattering of dust grains in a protoplanetary disk"
Kataoka et al., ApJL, in press [arXiv]
片岡 章雅 [personal webpage]



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