国立天文台 理論研究部

Research Highlights

生命の起源と左利きアミノ酸の謎を解く ― 素粒子起源論を提唱 ―


国立天文台,東京大学,ウェスタン・ミシガン大学,オハイオ州立大学の研究者からなる国際共同研究グループは、宇宙空間で左手系の鏡像キラリティー(左利き)を持つアミノ酸が選択的に生き残るメカニズムを考え出し,新理論を提案しました.この理論は,自然界の基本的な対称性に関する素粒子物理学,電磁気学,生物学および化学の諸原理を組み合わせたもので,理論を宇宙・天体現象に応用して,キラリティーの選択性を定量的に実証したものです.素粒子レプトン(電子およびニュートリノを含む自然界の最も小さな単位)もまた,キラリティーを持ちます.ニュートリノは全て左利きです.宇宙磁場中の分子は、レプトンと相互作用することができ,レプトンとアミノ酸のキラリティーの組み合わせに依存した異なる相互作用を示します。その結果,一方の鏡像を他方の鏡像よりも選択的に破壊することができるのです.自然界におけるアミノ酸キラリティーの偏りは,約170年前にルイスパスツールが分子キラリティーを研究して以来,未解決の問題でした.地球上の生命が殆ど完全に左利きアミノ酸から作られている謎の解明に結びつくものと期待されます。本研究成果は,2018年6月11日付でサイエンティフィック・レポート(ネイチャー・ジャーナル)に掲載されました.

図:「左利き」と「右利き」のアミノ酸アラニン。灰色、赤色、青色、白色の球体は、それぞれ炭素、酸素、窒素、水素を表わします。

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(2018/07/25)

"Amino Acid Chiral Selection Via Weak Interactions in Stellar Environments: Implications for the Origin of Life" Famiano M.A., Boyd, R.N, Kajino, T., Onaka, T., & Mo, Y., Scientific Reports, vol 8. (2018)
[link]

"Selection of Amino Acid Chirality via Neutrino Interactions with 14N in Crossed Electric and Magnetic Fields" Famiano, M.A., Boyd, R.N., Kajino, T., & Onaka, T., Astrobiology 18, 190 (2018).

梶野敏貴 (personal website)

地球型惑星形成の最新シミュレーション


惑星は、恒星の周りに存在する円盤状のガス(原始惑星系円盤)の中で形成したと考えられています。この円盤から形成中の惑星は様々な影響を受けるため、惑星形成を研究する際には円盤の性質に注意することが重要になります。私たちは、最新の原始惑星系円盤進化理論(例えば磁気駆動円盤風の効果)を考慮したシミュレーションによって、地球型惑星の形成を調べました。研究の結果、太陽系では水星よりも内側の軌道には惑星が存在しませんが、この特徴は磁気駆動円盤風の影響による1kmより小さな天体の軌道移動で説明できるという説を提唱しました。また、これまでに発見された太陽系外惑星の大部分を占める「短周期スーパーアース」の軌道の性質も、現実的な円盤進化を考えることによって説明できることを示しました(図参照)。
(2018/06/18)

Ogihara, Kokubo et al. 2018, A&A, 612, L5
[ADS] [arXiv]

Ogihara, Kokubo et al. 2018, A&A, in press
[ADS] [arXiv]

荻原正博 (personal website)



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