国立天文台 理論研究部

Research Highlights

宇宙初期における大量のダストと特異な減光曲線の起源

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高赤方偏移クェーサーの減光曲線は、近傍の銀河のものと異なることが知られ ています。また、このようなクェーサーの母銀河中には大量の星間ダスト(星間塵)が存 在することも確認されています。これらの観測は、宇宙初期において星間ダストが急速に増加し、またそのダス トの性質が現在の宇宙のものとは異なっていることを示唆します。
本研究では、星間ダストのサイズ分布を考慮した世界最先端のダスト進化モデルに基づき、高赤方偏移クェーサーのダスト量と減光曲線の進化について調べました。その結果、クェーサーの母銀河中に密度の高い分子雲が豊富に存在していれば、ダスト上への重元素ガスの降着とダストの合体成長が効率的に起こり、宇宙初期で観測された大量のダストの存在と特異な減光曲線を同時に説明できることを明らかにました。また、このような宇宙初期における炭素質ダストは、グラファイトではなく主に非晶質炭素であることも突き止めました。
図は、モデル計算によって導かれた1Gyrでの減光曲線(ここでは0.3 μmの 減光量で規格化された減光量波長依存性)。 点線、太い実線、破線は、クェーサー母銀河中の分子雲の質量割合がそれぞれ 0.5、0.7、0.9として計算した結果、影付きの領域は赤方偏移6.2のクェーサー J1048+4637で観測された減光曲線のレンジを示す(Maiolino et al. 2004)。 比較のため、小マゼラン雲の減光曲線も示される(細い実線)。
(2014/12/9)
Evolution of grain size distribution in high-redshift dusty quasars: integrating large amounts of dust and unusual extinction curves by Takaya Nozawa, Ryosuke S. Asano, Hiroyuki Hirashita, Tsutomu T. Takeuchi, 2015, MNRAS Letters, 447, L16-L20
[ADS] [arXiv]
野沢貴也([personal website])

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Web Release

世界最大規模の天の川銀河シミュレーション

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オランダ・ライデン大学のユルン・べドルフ氏、シモン・ポルテギースズワート氏、国立天文台理論研究部の藤井通子 特任助教(国立天文台フェロー)らの研究チームはアプリケーション「Bonsai」を開発し、18600台のGPUを用いた計算により、これまでで最大規模の天の川銀河進化の数値シミュレーションを成功させました。計算に用いた粒子数は約2400億であり、この計算により初めて、天の川銀河の星の観測データと直接比較可能なシミュレーションデータを得ることができるようになりました。さらにこのシミュレーションでは使用したGPUの数に対して単精度で世界最速の実効性能 24.77Pflops(1秒間に2.477京回の計算)を達成しました。このシミュレーションの性能と科学的意義が評価され、2014年のゴードン・ベル賞のファイナリストとして選出されました。詳しくはウェブリリース「世界最大規模の天の川銀河シミュレーション」をご覧ください。
(2014/11/12)
“24.77 Pflops on a Gravitational Tree-Code to Simulate the Milky Way Galaxy with 18600 GPUs”, by Jeroen Bédorf, et al., 2014 ACM/IEEE conference on Supercomputing (SC14), New Orleans, Louisiana, USA, Nov. 2014
[ACM Digital Library]
藤井 通子 [personal website]

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