三鷹地区特別公開 | 国立天文台 理論研究部

三鷹・星と宇宙の日 2017 理論研究部・4D2U合同企画「理論天文学最前線」

今年の三鷹・星と宇宙の日2017(国立天文台三鷹キャンパス特別公開)では,理論研究部と4次元デジタル宇宙(4D2U)プロジェクトが共同で,立体映像を使ったミニ講演会と,コーヒーやお茶を飲みながら天文学者とお話するサイエンスカフェ "Cafe Riron" の2つの企画を開催します.皆様のご来場をお待ちしています.
※(9/25追記)ミニ講演,サイエンスカフェに参加くださった方には,理論研究部特製クリアファイルをプレゼント!

ミニ講演会&4D2U上映 詳細
サイエンスカフェ "Cafe Riron" 詳細

このページは随時更新されます.
・2017/10/7: [関連企画] > [宇宙,作ってます] に詳細URLを追記しました.
・2017/10/04: [関連企画] > [Mitaka VR] に詳細URLを追記しました.
・2017/09/25: 案内文にプレゼント情報を追記しました.
・2017/09/22: このページを公開しました.

開催概要

*開催日時*
2017年10月14日(土) 
※「三鷹・星と宇宙の日 2017」は13,14日の2日間の開催です.

*場所*
国立天文台三鷹キャンパス 4D2Uドームシアター(S4)
アクセス三鷹キャンパス構内地図(PDF)

ミニ講演会&4D2U上映(小学生以上対象)

最新のシミュレーションから作られた立体映像をつかって,理論天文学の最先端を研究者自らがお話いたします.整理券を配布いたします(整理券の詳細についてはこちら).定員は各回40名です.
※小学生未満のお子様につきましては,立体視の目への負担が大きいため,入場をお断りしております.


■ミニ講演会タイムスケジュール

整理券配布時間 集合時刻 講演者 タイトル
10:00 10:20 小林 弘 ブラックホールの周りで何が起こっているのか?
11:00 小久保 英一郎 地球と月の起源
11:40 白崎 正人 宇宙の大規模構造
12:00 12:30 守屋 尭 星の『死に様』を追う
13:10 浜名 崇 宇宙の構造の骨組みをなす『冷たく』見えない物質を探る
13:50 滝脇 知也 極小粒子、ニュートリノで爆発する超新星
14:00 14:40 片岡 章雅 惑星の種は『ふわふわ』だった?
15:20 富阪 幸治 太陽を計算機の中に作る
16:00 小久保 英一郎 土星の環の秘密

■整理券について

・ミニ講演会をご覧いただくには整理券が必要です.整理券配布は10:00-,12:00-,14:00-に,4D2Uドームシアター(S4)東側受付にて行います.定員は各40名です.
・整理券はお一人様1枚となっております.同行者の方々,皆様お揃いになってから受付へお越しください.
・車椅子でお越しのお客様は,整理券待機列には並ばずに,直接4D2Uドームシアター(S4)東側受付にお声掛けください.

■ミニ講演会 概要

小林 弘 「ブラックホールの周りで何が起こっているのか?」
強力な重力によって一度吸い込まれると光さえ脱出できない天体、ブラックホール。そんなブラックホールの周りでは、集まったガスが円盤を形成し強力な電磁波を放射します。では実際にガスはどのような様子で運動をするのでしょうか?シミュレーションによる研究の成果を用いてブラックホールとその周りの現象について紹介します。

小久保 英一郎 「地球と月の起源」
私たちの住む地球とその衛星である月はどのようにして誕生したのでしょうか。地球をはじめとする太陽系の惑星は、約46億年前に原始太陽系円盤とよばれる太陽の周りのチリとガスでできた円盤から誕生したと考えられています。チリから地球と月へ、スーパーコンピュータが明らかにしつつある地球と月の誕生を紹介します。

白崎 正人 「宇宙の大規模構造」
数メートルの口径をもつ巨大な望遠鏡をつかって、銀河の位置を遠方にわたって測定してみると、銀河はでたらめに分布している訳でなく、規則的に階層構造を作っていることがわかってきました。この階層構造は、今では宇宙の大規模構造と呼ばれています。宇宙の大規模構造と宇宙の歴史の関係について紹介します。

守屋 尭 「星の『死に様』を追う」
超新星爆発は星が生涯を終える時に起こす大爆発です。超新星を調べることで、星が爆発する直前にどのような状態だったのかを探ることが出来ます。多くの超新星が観測されるようになり、星が死ぬ際に様々な変化を起こしていることが分かり始めています。最新の研究によって明らかになってきた多様な星の「死に様」とそこに潜む謎を紹介します。

浜名 崇 「宇宙の構造の骨組みをなす『冷たく』見えない物質を探る」
私たちの周りの物質はいわゆる元素で出来ていますが、宇宙にはそれよりも何倍も多くの「冷たく」見えない物質があり、宇宙の構造の骨組みをなしていると考えられています。この見えない物質は天体観測により発見されました。国立天文台で行われている「冷たく」見えない物質の正体を探る研究を紹介します。

滝脇 知也 「極小粒子、ニュートリノで爆発する超新星」
太陽より10倍程度重い赤色超巨星はその寿命の最後に莫大なエネルギーを一瞬にして解放します。これが重力崩壊型超新星爆発です。そのため、一つの星の爆発にも関わらず、その眩しさは銀河と同程度になります。この大スケールの爆発は、実は極小の粒子であるニュートリノのせいで起こるのです。今回はスーパーコンピュータの計算を用いて、超新星がなぜ爆発するのかを説明します。

片岡 章雅 「惑星の種は『ふわふわ』だった?」
2つの小石を思い浮かべてみてください。さあ、その2つの小石をぶつけてみましょう。どうなりましたか?もちろん、跳ね返ってしまいましたよね。まさか、2つの小石はくっついたりしませんでしたよね。でも、惑星がどうやって出来たかを考えている人たちは、それがくっつくと仮定していたのです。この「小石くっつかないから惑星できないじゃないか問題」を解決するため、大真面目にコンピュータシミュレーションでほこりの合体成長を計算するお話です。

富阪 幸治 「太陽を計算機の中に作る」
太陽のような星は今でも宇宙のどこかで生まれています。しかし、星の誕生プロセスは未だに謎にあふれています。星はどうやって形成されるのでしょうか。太陽の重さはどのようにして決まったのでしょうか。太陽が単独の星になったのはどうしてでしょうか。これらの問題に解答が得られるのか、計算機シミュレーションでの星の形成過程を追跡する研究の現状を追跡します。

小久保 英一郎 「土星の環の秘密」
土星には美しい環があります。この環は無数の1 cmから1 mくらいの氷の粒でできています。また、環の中には小さな衛星も存在します。氷の粒子や小衛星が土星の周りを回りながら、重力で引き合ったり、衝突したりすることで、様々な模様が作られます。スーパーコンピュータによる実験で明らかになった土星の環の構造について紹介します。

サイエンスカフェ "Cafe Riron"

今年は 4D2U ドームシアター前のテントで開催の Cafe Riron でも 3 つの講演を行います.コーヒーや紅茶を飲みながら気軽にお楽しみください.講演の時間以外でも,常時研究者とお話しいただけます.

場所:4D2U ドームシアター前テント
定員:各回先着 30 名程度
参加方法:整理券配布はいたしません.お聞きになりたい回の開始時刻までに会場へお越しください.

時間タイトル講演者
10:40-11:20極小粒子、ニュートリノで爆発する超新星*滝脇 知也
12:50-13:30惑星のタネは「ふわふわ」だった!?*片岡 章雅
15:00-15:40"Measuring the Expansion of the Universe with Gravitational Lensing" ( 重力レンズで測る宇宙の膨張)
※英語と日本語の両方でお楽しみ頂けます.
Kenneth Wong/白崎 正人

* 10:40,12:00 からの回の内容は,4D2Uドームシアターで行われるミニ講演会と同じですが,立体視の映像の上映はありません.ミニ講演会よりもより気軽に講演者とお話していただくことができますので,ぜひこちらもお楽しみください.

関連企画

■宇宙,作ってます(南棟S2,1階 スーパーコンピュータ室(CfCA計算機室))
理論の望遠鏡とも呼ばれるスーパーコンピュータ.今では理論天文学研究には欠かすことができないものです.国立天文台でスーパーコンピュータを運用している「天文シミュレーションプロジェクト(CfCA)」では,最新の研究で利用されているコンピュータ群を解説付きでご紹介いたします.是非いらして下さい.
詳細URL(※10/7 追記):http://www.cfca.nao.ac.jp/pr/20171014

■Mitaka VR(中央棟(東)C5,第一会議室)
4D2Uドームシアターでも使われている4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」が進化しました.ヘッドマウントディスプレイを使ったバーチャルリアリティ(VR)でMitakaを体験する「Mitaka VR」が,今年から新たに独立な企画として行われます.ドームシアターとはまったく異なる,臨場感あふれる宇宙旅行をお楽しみください.
詳細URL(※10/4 追記):http://4d2u.nao.ac.jp/t/openday2017mtk.html

関連リンク