最近の研究
コンピュータ・シミュレーションを使った構造形成の研究:
星間物質の進化と構造、星間雲から星への進化過程、など
- 学術論文の解説
- この欄では学術論文の解説を行っています。
- 「星間塵熱輻射の偏光から探る双極分子流の起源」(PASJ (2011)63, 147)日本語、英語
- 「第1コアの観測的確認:非局所熱平衡輻射輸送」(PASJ (2011)63, 1151)日本語、英語
- 「磁場で支えられた分子フィラメントの構造」(Astrophys. J. (2014)785, 24(12pp))日本語、英語
- 「磁場で支えられた分子フィラメントの偏波構造」(Astrophys. J. (2015)807, 47(10pp))日本語、英語
- これから研究を始めようという方に
- 星間雲の収縮
- 星の元になる星間分子雲が収縮し星、連星、
惑星系などが形成される現象の研究。
コンピュータを用いたシミュレーションで研究を行っています。
バックグラウンドを知るには、まず、
星間雲から星への進化
(天文月報2000年10月)をお読み下さい。
- 星間分子雲から星への進化では100万倍ものスケールで収縮が進みます。
その過程を追跡するには特別の工夫が必要です。
そのための数値計算法「多重格子法」については、まず、
「多重格子法と星間雲の収縮」
(流体力学会「ながれ」の特集「宇宙における流体力学」の原稿)
をお読み下さい。
- 星間分子雲のもつ回転や磁場は収縮過程に大きな影響を与えます。
特に収縮過程で起る分裂や連星の形成は回転や磁場によってコントロールされます。
これに関する最近の進展については、
星形成の重力集過程における磁場の役割(天文学会邦文学会誌「天文月報」2008年2月号記事)をお読みください。
- 講座「シミュレーションで探る宇宙のなぞ」
(朝日カルチャーセンター / 2006年11月-12月)
星間雲 (ガス) が収縮し恒星がつくられて行く過程は、大変ダイナミックで興味深い研究対象です。収縮中にガスが放出される現象 (アウトフロー) は一見、収縮←→放出と矛盾したように見えますが、収縮する時にじゃまになる角運動量を外界に捨てる過程としてとても重要であることがわかってきました。シミュレーション研究で明らかにされたこととその意味を分かりやすくお話ししました。(資料)
- 観測的可視化
- コンピュータ・シミュレーションの結果は、様々な物理量の等高線を書いたり、ベクトル量を矢印で表して流れを表示したりして、物理過程を理解します。これを可視化と呼びます。天文学では温度、密度などの物理状態が観測から直接得られることはなく、光、電波などの電磁波の強度、スペクトルなどを通じて物理状態が間接的に知られるという他の分野にはない特殊事情があります。観測的可視化とはシミュレーションの結果を観測したときにどのような電磁波が放出されるかをシミュレーションし、それを実際の観測と比較することによって天体現象の実相に迫ろうと言う研究です。
- 超新星残骸
- 超新星残骸は、超新星爆発の結果生じた衝撃波が星間空間を伝搬した結果生じる天体現象です。若い超新星残骸は球状の衝撃波によって星間ガスを高温に熱するので高温、低密度のガス球(バブル)として観測されます。年を経た超新星残骸は、星間来たいの密度分布、星間磁場の影響を受け様々な形態を取ります。超新星残骸は星間ガスの構造を決定する最も重要な要素と考えられています。
現在は、超新星残骸の長期的な進化、超新星残骸によって駆動される星間ガスの構造に興味を持っており、超新星残骸の進化、特に、その長期的進化を星間磁場の効果を考慮にいれて、磁気流体力学シミュレーションで明らかする研究を行っています。
- その他
- 論文リスト
- 最近の研究のプレプリント。
- ADSによる論文の
検索
(本家)
-
ADSによる引用数調査
(本家)
- 論文リスト
- 数値シミュレーション
- 星形成時に発生するアウトフロー
- ベンチマークテストの巻 いくつかのスーパーコン、EWSについてのベンチマークテストの結果が
載っています。
- 書評(コレクション)
- 宇
宙流体力学(坂下志郎、池内 了)
- Universe(第6版)
Roger A. Freedman、William J. Kaufmann III著
- 採択される科研費申請ノウハウ
--審査から見た申請書のポイント--(岡田益男)